ポスト京都議定書におけるわが国の中期目標に関する意見
内閣官房が募集している『地球温暖化対策の中期目標に対する意見』に対して、当会のパブリックコメントをとりまとめました。
「地球温暖化の中期目標に関する意見」
2009年5月15日
北海道経済連合会
北海道経済界は、これまで、温室効果ガス排出量の削減に向けてたゆまぬ努力を続けてきた。また、今後もこの努力は変わるものではない。その決意を明らかにした上で、中期目標に関する意見を述べたい。
1.中期目標の検討に当たっての視点
中期目標の検討に当たって重要な視点は、以下の2点である。
1点目は、国際的な公平性を確保するために限界削減費用を指標とすることである。わが国は、石油危機以降、不断の努力を重ね世界最高の省エネ国家となった。故に、これから排出量を削減するために要する費用は先進国の中でも最高水準である。過大な費用負担は、産業の国際競争力の低下、雇用の悪化などにより地域経済へのマイナス影響が発生する。
2点目は、実現の可能性を十分に検討し、国民的な合意を得て目標を設定することである。省エネ支出の増加、可処分所得の減少、光熱費の上昇などを国民が受け入れることが可能か、しっかりと見極めなくてはならない。
また、政府は、年金や医療の充実、雇用の確保、地域経済の振興、農業対策など、他の重要政策課題とのバランスをとりながら、総合的な判断をするべきである。
2.北海道の状況
経済状況、雇用状況ともに厳しい北海道では、新たな費用負担は家計や企業活動に大きな影響を与える。特に、冬期間の暖房、自動車への依存度が高い北海道の家計では全国に比べて負担が大きくなる。一方、産業面では、鉄鋼、紙パルプ、石油石炭製造業で北海道工業出荷額の四分の一強を占めており、これら業種のコスト負担は北海道産業に大きな影響を与える。
3.わが国が採るべき選択肢
国際的な公平性、国民、道民による負担の受け入れを含んだ実現の可能性を考えると、選択肢(1)が妥当である。
以上
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ご照会先
北海道経済連合会
経済産業部 小川
TEL:011-221-6166