総会コメント

第42回定時総会 ご挨拶

北海道経済連合会 会長

大 内  全

「平成28年6月2日」

 会長の大内でございます。 本総会に先立ち4月16日、熊本地震で被災されました皆さま、並びに企業にお見舞い申し上げますと共に、一日も早い復興を心よりお祈り致します。  お集まりの会員の皆さまには、この1年間、道経連の様々な活動にご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございました。また、来賓として高橋はるみ知事には、公務ご多忙な中、後ほどご臨席を賜り、ご挨拶を頂けるとのことで感謝申し上げます。  本日は、当会の昨年度の事業報告、そして本年度の事業計画などをご審議頂きます。皆さま方には、当会の取組みに一層のご理解を賜りますと共に、是非、忌憚のないご意見をお願い申し上げます。  また、本年は役員の改選期にあたり、私の退任も審議されますことから、この2年間の取組みを振り返りつつ、若干お話しをさせて頂きます。  2014年8月、増田元総務大臣の著書「地方消滅」では、皆さまもご案内の通り、減少を続ける若年女性の人口予測をもとに、このままでは全国で896の自治体が消滅しかねないといった、大変、衝撃的な内容でした。  取り分け、人口減少が全国を上回る勢いで進行する北海道では、札幌への人口の一極集中が進み、著書では78%の市町村が「消滅可能性都市に該当する」と試算され、人口減少対策が喫緊の課題となりました。  このため、当会としましても、「地方に人々が留まり、希望どおりに子どもを持てる社会に変えるために、どのような対策を講ずるべきか」を常に考え、北海道や国と共に議論を重ねて参りました。  北海道では、今後5年間の人口減少対策の指針となる「北海道総合創生戦略」を纏めました。この検討過程では、施策にメリハリを持たせるために優先順位付けを行うことや、オール北海道で取組む必要性から実施主体を明確にすることなど、計画の実行・実現の確保を要請し、取入れて頂きました。  この計画の実行・実現に向け、私は知事と共にこの協議会の共同座長をお引き受けし、引き続き取組んでおります。  一方、国は、10年毎に策定してきた「北海道総合開発計画」を2年前倒しし、本年3月末に新たな計画を公表致しました。私は、この計画の策定に必要な事項を調査・審議する「計画部会の部会長」を仰せつかり、この1年間、携わって参りました。  計画では北海道の強みであります「食と観光」を戦略的な産業と見做し、「世界の北海道を目指す」とするもので、交通ネットワークの強化や農林水産業の競争力の向上、世界水準の観光地づくりなどを重点的な取組みとして纏めました。  観光は、今や北海道を牽引する一大産業です。政府の力強い支援もあり、インバウンドは好調で、昨年、新千歳空港の国際線利用者数は、過去最高の210万人を記録しました。  当会では、インバウンドの更なる拡大に向け「1時間当たりの発着枠の拡大」、そして「旧共産圏航空機の発着制限の緩和」を国に要望して参りましたところ、この度大きな進展を見ましたことは、観光に留まらず、本道経済の発展に大きな期待を感じ、大変嬉しく思っております。  今年に入り、道内空港の民間委託の動きが活発化して参りました。政府は観光産業の盛り上げによる経済の再生、そして地方の活性化に向け、「道内複数空港の一括民営化」を推し進める考えです。  私は3月末、産業競争力会議の分科会に出席し、当会の考えをお話しして参りましたが、道内企業が一定の役割を担い、北海道経済にメリットの有る民間委託となるよう、取組んで参ります。  道民の夢であります北海道新幹線が3月、無事開業いたしました。これに先立ち当会では、昨年12月、開業気運の醸成に向け東北経済連合会と共催で、仙台にてシンポジウムを開催致しました。開業後の状況は、前年同期の2倍の乗車率を記録する等、順調な滑り出しで安どしております。  次は札幌の開業です。北海道新幹線は札幌まで延伸されてこそ、その効果が最大限に発揮されます。2030年度とされております札幌開業の更なる早期化に向け、取組みを強めて参ります。  もう一方の食につきましても、幾つか大きな進展がございました。 北海道の食は、全国と比べて優位に有る一方、付加価値の高い商品開発は立ち遅れています。このため当会では、食クラスター活動の推進としてフード特区機構が進める活動を支援しており、その一つが輸入代替に繋がる大規模植物工場クラスターの建設・運営の事業で、現在、苫小牧東部地域でイチゴの生産を行っております。  そして、食の輸出拡大に向けては、海外との商流・物流の構築などにも取組んでおります。成長著しい東アジアや東南アジアの食市場の獲得を目指し、コーディネーターをタイとシンガポールに配置し、道内企業と現地の卸・小売業者とのマッチングに努めて参りました。  その様な中、本年1月、シンガポールに「北海道ASEAN事務所」が開設致しましたが、北海道とASEANの経済交流支援の拠点として大いに期待しております。  また、世界の人口の4分の1を占めると言われるイスラム教徒・ムスリムへの対応です。この食市場は60兆円とも言われ、今後更なる成長が期待されます。26年度、ドバイに常設ブースを設置し、道産食材の輸出事業に着手し、昨年度は、ドバイとイスタンブールで交流会を開催した他、ハラールに対応したと畜場を道内で整備し、道産牛のテスト輸出に漕ぎ着けました。  今後は、UAEやドバイを拠点としてネットワークを広げ、中東での商流開拓とビジネス環境の整備に取組んで参ります。  また、当会としても道産農水産品のブランド化の支援に向け、中京圏の外食産業と道内生産者とのマッチングを行い、新たな商流づくりにも取組みましたし、食産業を担う人材育成や情報発信のあり方についての検討も進めて参りました。  これら食や観光を高めていくためには、高速道路や空港・港湾、さらには新幹線といった社会インフラの整備は欠かせません。  当会では、政府や関係省庁に対して必要な予算の確保を要望して参りました。地域の強みを活かした産業の育成、北海道の人流・物流ネットワークの確立に向け、引き続き要望して参ります。  一方、ものづくり産業の振興では、北海道が定める「北海道総合教育大綱」にものづくり人材育成指針を盛り込んでで頂いたほか、企業訪問の際お伺いした諸課題の克服に向け、要望活動を行って参りました。  これまで道内8大学が当会の会員に加わって頂きました。産学連携は、新たなイノベーションと共に、産業構造に厚みをもたらせ、地方創生の実現に期待がもたれます。企業との連携による教育プログラムの実施や道内での就職率を高めるCOC+事業において、当会も協働機関として取組んで参ります。  また、航空宇宙関連施設の誘致は、地域経済に大きな波及効果をもたらすに留まらず、次世代の若者に夢と希望をもたらす一大事業です。政府による宇宙基本計画の策定やその後の動き、それに呼応する十勝での誘致活動等を踏まえ、本年1月、当会に特別委員会を設けました。全道大での誘致気運の醸成に向け、努めて参ります。  労働分野では、会員企業の女性社員によるプロジェクトチームを設け、女性の活躍推進をテーマに活発に議論をして頂きました。  最後に原子力発電所の再稼働についてです。道内では泊発電所が停止して、既に4年が経過しました。この間、2度にわたり電気料金が値上げされ、家計も、企業活動にも重い負担がのしかかっております。  「電力は経済の血液」と呼ばれますように、道民生活や産業の維持・発展には、低廉で安定した電力供給が欠かせません。このため、安全の確保を大前提に、道民の理解のもと、速やかな発電再開が重要なことから、規制当局には安全性の確認を早急に進めて頂くことを重ねて要請して参ります。  縷々、私の思うところをお話し申し上げました。  当会は昨年、創立40周年を迎えました。次の10年・50周年に向け、私共は「北海道の発展のため」という設立時の初心を忘れることなく邁進して行かなければなりません。  会員の皆さまの変わらぬご支援をお願申し上げ、私からのご挨拶とさせて頂きます。

 

以上