2019年頭コメント

 

年頭にあたって

北海道経済連合会 会長

髙 橋 賢 友

「2019年1月1日」

 

 新年を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
 旧年中は当会の活動に対し格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 昨年、天皇皇后両陛下におかれましては、北海道を2回ご訪問されました。
 1回目は8月上旬、札幌で開催された北海道150年記念式典にご臨席されるとともに、利尻島などをご訪問されました。2回目は11月中旬、北海道胆振東部地震の被災者へのお見舞いのため、厚真町をご訪問されました。
 年2回のご訪問は、一昨年までの29年間の7回と比べても特に多く、それぞれのご訪問の背景にある出来事の重要さ・重大さが思い起こされます。記憶に残る年となりました。
 
 北海道経済の状況は、ここ数年穏やかな景気回復の動きを維持してきました。震災によるマイナス影響はありましたが、これも現在は緩和してきております。
 今後は、震災前の水準に戻っていない海外観光客の動向なども十分注視しながら、復旧・復興に向けて、引き続きオール北海道で取り組む必要があります。
 
 さて、この度の震災から、我々は何を学ぶべきでしょうか。様々な課題が浮き彫りになりましたが、ここでは、北海道経済の持続的発展に向けて、業種を越えて幅広く認識を共有しておきたい点について、取り上げます。
 1つはBCPの作成・見直しの重要性です。道内において、BCP策定済みの企業は1割程度に留まり、全国平均を数ポイント下回っています。
 BCPの策定は、単に災害に備えるだけでなく、業務の改善・効率化、従業員の意識・能力向上、取引先との関係強化など、経営力の強化に寄与するとともに、非常時の対応が評価され平常時の事業にも好影響を与えます。
 当会としても、自家発電導入に対する補助制度の創設や耐震化投資等に対する税制優遇などを国に要望しており、BCPの強化を後押しして参ります。
 
 もう1つは、垣根を越えた連携の重要性です。この度の震災の復旧・復興に向けて、当会では、政府・与党に対して、経済8団体共同で緊急要望を実施しました。また、経産省・北海道・道経連混成で経済復興支援チームを編成し、中小企業・地場産品・観光等を支援する施策集の取り纏めや周知などを行いました。
 ここで実践された垣根を越えた取り組みを通じて、今後の北海道経済を担う重要な分野で、オール北海道での協力体制を一層機能させたいと、改めて感じたところです。
 過疎化に対応するための自治体の広域連携、ドライバー不足に対応するための共同配送、生産性向上のためのあらゆる産業とIT事業者とのマッチング、大学等の広範な研究シーズとものづくり産業をはじめとした企業ニーズとのマッチングによる産学官連携の強化など、これまで以上の縦横斜めの連携が、北海道経済の持続的発展の1つの鍵になると考えております。
 
 本年は、昨年からの継続案件が大切な局面を迎える年になります。
 文化・歴史関連では、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が、世界遺産登録への推薦に再チャレンジします。また、来年4月の「民族共生象徴空間(愛称:ウポポイ)」の開設に向けて、様々な準備の総仕上げが行われます。
 観光関連では、震災からの復興を更に進めていきます。折しも9月には札幌でラグビーワールドカップ、10月には倶知安でG20観光大臣会合が開催されます。この機会をとらえ、北海道の魅力発信に取り組みます。
 食関連では、昨年末に発効したTPP11に引き続き、2月には日EU・EPAが発効します。影響の大きい農業・食品製造業の発展に向けて、攻めと守りの両面から取り組みます。
 社会資本関連では、道内7空港民間委託の優先交渉権者が、7月に決定予定です。また、JRの路線見直しについても、結論を出して経営改善に向けた取り組みを着実に進めていく必要があります。
 本年もいろいろと動きのある年になりそうですが、それぞれの課題に向き合い、北海道経済の持続的発展に向けて活動して参ります。
 
 当会では、今後1年程度をかけて、道経連の活動の指針となる長期ビジョンを策定したいと考えています。
 我々の調査・提言や要望活動のその先にある「北海道のありたい姿」「実現への道筋」を、産業戦略を中心に長期ビジョンとして示し、外部に対して、道経連の目指す方向や活動の意味合いを分かり易く示す予定です。
 
 本年は元号も変わりますが、引き続き当会の活動に対するご理解とご協力をお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
以上