2018年頭コメント

 

年頭にあたって

北海道経済連合会 会長

髙 橋 賢 友

「平成30年1月1日」

 

 新年を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
 旧年中は当会の活動に対し格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

 昨年は思わず空を見上げる機会が多い年となりました。
 8月と9月には北朝鮮のミサイルが北海道の上空を通過し、早朝からJアラートが鳴り響きました。
 一方、7月にはインターステラテクノロジズの「MOMO初号機」が多くの人々が見守るなか大樹町から打ち上げられ、高度約20㎞まで到達しました。10月には準天頂衛星「みちびき4号機」の打ち上げが成功し、これによりセンチメートル単位の高精度の測位情報提供が可能となりました。
 民間による宇宙の利活用が、より身近に感じられるようになった年でした。
 さて、北海道経済の現状は、個人消費の持ち直し、来道者数の増加、公共工事の増加などにより回復基調であると認識しています。
 しかしながら、中小企業や各地域においては景気回復の実感が薄いのが実情です。この要因については、経済成長率の低さ、賃金の伸び悩みなどいろいろと議論されておりますが、少し大づかみな観点から捉えてみます。
 1つはGDPの水準です。北海道の平成26年度の名目GDPは18.5兆円ですが、これは10年前の水準を名目で1.4兆円、実質で2.7%下回っています。各種の経済指標が前年同月比で好調でも、中長期的なGDPの回復がなければ実感が伴いづらいものと思われます。
 もう1つは人口減少です。平成27年の国勢調査によると北海道の人口は10年間で4.3%、24万人減少しています。この減少傾向は全国より10年早く、また地方でより顕著です。人手不足が拡大し地域社会の存続に不安が感じられる状況では、景気回復の実感はなかなか得られないものと思われます。
 このような状況を踏まえ、当会としては、他地域と比べ優位性のある「食」と「観光」、力強い経済を作り出す「ものづくり産業」の振興を3本柱として、付加価値を高め、稼ぐ力を引き出し、経済の好循環を呼び込むべく活動を続けております。全ての課題の根底にある人口減少に何とか歯止めをかけたいとの思いです。
 
 本年は、北海道にとって「結論を出す年」になると考えています。道内7空港の民間委託については、2月目途で実施方針が策定され、運営権者の選定プロセスが開始されます。冬季オリパラ招致については、10月までに現在の対話ステージから立候補ステージに進むか判断が求められます。JR北海道の路線見直しについては、結論を出すべき時期が近づいているとの指摘もあります。
 当会としては、これまで各課題に対して提言・要望等を行ってきましたが、今後も各課題の動向を注視し対応して参ります。
 本年の当会の取り組みとしては、「食」と「観光」「ものづくり産業」の振興という基本路線を継続しつつ、新しいテーマにチャレンジして参ります。
 1つは、道内GDPの到達目標と到達手段についてです。北海道のGDPは中長期的に低迷しておりますが、今後どの程度のスパンで何兆円レベルを目指すべきか、現在取り組んでいる各種施策でそれが到達可能か、どこを補強すべきかなどについて検討して参ります。希望に溢れる北海道を実現していくための1つの到達目標です。
 もう1つは、北海道版IoT実装推進ロードマップの策定です。今後の人口減少時代を乗り切るためには、AI・IoTの活用による生産性の向上が不可欠であり、これは教育・医療・防災・農林水産業・観光などあらゆる分野で取り組む必要があります。また、みちびき4基体制による高精度の測位情報提供など必要な社会基盤も整備されてきました。この機会をとらえ、北海道においてIoTを推進すべき分野を抽出し、課題解決方法および達成すべき指標などを検討して参ります。
 北海道には大きな潜在力があると言われて久しいですが、国の政策である観光立国や食の輸出拡大に向けて北海道の果たす役割は今まで以上に高まっております。当会としても北海道の持つ潜在力を顕在化させ、若い世代が北海道で生きることに希望と誇りを持てるよう、また、日本経済の発展に貢献できるよう努めて参ります。
 本年も、引き続き当会の活動に対する皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
以上