年頭コメント

年頭にあたって

北海道経済連合会 会長

近 藤 龍 夫

「平成22年1月1日」

 

 新年を迎え,謹んで年頭のご挨拶を申しあげます。
 旧年中は,当会の活動に対し格別のご高配を賜り,厚くお礼申しあげます。
 昨年を振り返りますと,厳しい経済状況の下,様々な困難に直面し,大変苦労の多い一年でありました。
 さて2010年は,次の10年につながる節目の年にあたります。そこで,少し長い期間で北海道経済の現状を捉えてみますと,我が国は戦後短期間のうちに,国内地方分業体制による極めて効率の高い産業構造をつくり上げてきましたが,北海道の国内における経済的な地位はじりじり低下しています。道内実質総生産の対GDP(国内総生産)シェアは,昭和30年度の5.8%から平成17年度には3.6%まで縮小しており,経済の国際化の進展によって,北海道の相対的な地位が低下してきたといえます。
 また,北海道の産業構造をみますと,これまで強みといわれてきた「農業」「食料品」及び「観光」は,いずれもその域際収支がプラスであり,依然として道外に対して競争力を持っています。しかし,北海道の農業・食料品・観光産業の付加価値率を全国と比較しますと,8ブロック中最低の水準にあり,道内において農水産資源の有効活用が図られていないのが実状です。この付加価値率を全国トップ水準にまで引き上げた場合,道内の現状の生産額約3.6兆円をさらに1.1兆円増加させる経済効果があると見込まれています。
 そこで,「高付加価値商品の創出」を共通目標に掲げ,北海道経済の自立的な発展に向けて,道民の協働による,道民のための,積極的な取り組みが求められます。このため、当会では、食クラスター活動強化の必要性を関係者に訴えていくとともに、既存のクラスター支援組織や公設試験研究機関の強化、さらにはクラスター活動の要となる有能なコーディネーターの確保に努めております。そして,ゆくゆくは北海道に,食に関連する研究開発・実用化・流通を総合的に実施する,世界に誇る「フードクラスター・コンプレックスタウン」構想を実現していきたいと考えております。
 また,これらの産業振興策を推進していくためには,社会活動・産業活動の基本である人やモノの移動が円滑でなければなりません。しかしながら,北海道は社会資本整備が不十分であり,全国水準にはほど遠い状況です。昭和32年に立てられた国の高速道路整備計画は,昭和41年及び昭和62年に拡大されましたが,北海道はいまだに昭和32年の計画すら実現しておりません。札幌から県庁所在地並みの中核都市である函館・旭川・帯広・釧路・北見までの区間については,旭川としかつながっておりません。また,札幌は190万都市でありながら,いまだに新幹線が開通していない状況にあり,これらの社会資本の早期整備を進めていくことが肝要です。
 北海道は今後,時代が価値あるものとして評価する食料,水,自然,エネルギーを全て備えております。これからの10年は,その経済価値をさらに高めていく取り組みに全力をあげる時です。当会としては,道内各地域の現場の皆様の声を良く聞きながら,北海道経済の活性化と自立に向けた活動に取り組み,ひとつでも多くの成果を積み上げていきたいと考えております。
 最後になりましたが,本年も当会の活動に対する皆様方のご理解とご協力をお願い申しあげまして,新年のご挨拶とさせていただきます。