総会コメント
第35回定時総会 ご挨拶
北海道経済連合会 会長
近 藤 龍 夫
「平成21年6月11日」
この一年を振り返ってみますと、前半は原油や原材料価格の高騰、秋以降は米国に端を発した世界的な金融危機の影響が実体経済に波及し、現状、日本経済は未曾有の危機的状況に直面しております。
北海道経済も、昨年、年初来の原油、原材料の価格高騰により、厳しい状況におかれていたなか、今回の急激な景気悪化の影響を受け、ものづくり産業における需要の急減、観光入込客数の減少、個人消費の落ち込み等、道内企業の経済活動を取り巻く環境や雇用情勢は急激に悪化しており、今後さらに厳しい状況になりかねないと危惧いたしております。
こうした経済情勢に対し、国においては、切れ目の無い経済対策を打ち出しておりますが、私どもとしては、まずは国が政策を総動員して景気の底割れの回避や雇用の維持・安定に全力で取り組むとともに、来るべき将来を見据え、中長期的な地域の活性化につながる産業振興や社会資本の整備を強力に推進すべきであるとの考えに立ち、これまで中央要望を行なってきましたが、今後とも、迅速かつ的確な主張を行ってまいりたいと考えております。
また、昨年は、かつて経験したことのない原油、原材料、そして穀物など、輸入資源価格の高騰によって経済的な混乱に見舞われたことに注視すべきと思います。現在は景気後退によって落ち着いておりますが、新興国の経済成長は、今後もこれらの価格の高騰を誘発する恐れがあります。改めて、わが国がエネルギー、食料、その他資源の多くを海外に大きく依存していることを再認識し、今後の北海道の産業経済のあり方を考えていく必要があると思います。
そこで今一度北海道を見つめ直してみますと、北海道は国内食料供給の約2割を生産する食料基地であり、さらには北海道特有の豊かな観光資源や自然環境を有しております。現状の道内経済は非常に厳しい状況にありますが、今後、これらの北海道の強みを活かし、新たな北海道の発展とわが国への一層の貢献につながる取り組みを展開していく必要があると考えます。
特に農業は、現在の北海道の基幹産業であると同時に、北海道経済の自立・活性化を図るための産業クラスター創造活動の核となる産業であるといえます。したがって、北海道農業は、今後ともわが国の食料供給基地にふさわしい産業としてはもとより、「食関連産業」という大きな枠組みの中で北海道経済を牽引する産業として発展させていくことが重要であります。
当会としては、農業者をはじめ、関係者の意見を踏まえつつ、他産業との連携方策を検討・提言していくなど、食クラスター形成を目指した活動を展開してまいります。
加えて、事業環境の変化の著しい農業分野ゆえに、農業関係者との交流を盛んにしながら、北海道農業の実態の把握と今後のあり方について調査検討をすすめるとともに、農業基盤の整備や事業環境の整備等について、我々として応分な協力ができるよう取り組んでまいります。
観光につきましては、北海道特有の豊かな観光資源を活かして、一層強化すべき移出、輸出産業として捉え、道外や海外からの集客に努めるとともに、食・環境・運輸・医療も含めた観光クラスターの形成を目指して取り組んでまいります。
観光産業は、その振興において交通インフラの整備と密接に関連し、また様々な産業の振興と幅広く関連する総合的な産業であることから、官民が一体となり、また産業界全体が協力してオール北海道として取り組んでいく必要があります。当会としては、北海道観光振興機構との連携を密にし、オール北海道の一員として、その振興に取り組んでまいります。
そして、北海道が、将来に亘って食料、観光、さらには環境の面から我が国における北海道の役割を果たし、貢献していくためには、いまだ本州並に届いていない整備新幹線や高規格幹線道路をはじめ、空港、港湾とも連携した総合的な高速交通ネットワークの形成を急ぎ進めていくことが絶対条件であります。当会では、各団体とも連携しながら、引き続き、国主導の早期整備を求める要望、提言、調査活動などに取り組んでまいります。
以上、経済情勢の変化や現状認識の下、今年度の事業計画の策定にあたり、従来からの事業運営体制や事業活動について総括をいたしました。その結果、2005年に策定しました「中期活動指針2005(対象期間:2005年~2010年)」で掲げた4つのプラン、すなわち北海道ブランド確立プラン、北海道新産業創出プラン、北海道地域対策プラン、および北海道社会資本整備プランは、現下の経済情勢を反映して、相互の関連性が非常に高まってきたことや、企業における事業展開上のニーズが多様化してきたことから、過去に無い様々なテーマが当会に持ち込まれていることが明らかになりました。
そこで、このような状況に的確に対応し、着実な成果を上げていくため、事業運営体制の見直しおよび事業計画の再構築を行うことといたしました。新たな事業運営の在り方として、事業の重点化、委員会の再編、会長・副会長会議の設置を実施することとし、また再編した委員会には会員企業の皆様が幅広く参加できる体制にしてまいりたいと考えております。
また、事業計画では、会員企業の意見を反映しつつ事務局が主体となって取り組んでいく「骨格事業」、および外部の推進組織との連携・協力によって取り組んでいく「連携事業」の2つに大別・整理をし、かつ成果目標を明確にして取り組んでいきたいと考えております。
そして、「骨格事業」では、北海道の食、ものづくり、環境・エネルギー、社会資本整備を軸にして、少子高齢化および人口減少社会を見据えた北海道の地域主権型社会の実現に必要な環境整備等の課題に取り組むこととしております。
先行きの見えない厳しい経済状況下にありますが、各々の課題について目指すべき姿を描き、その実現のために当会として何ができるのか、また何をすべきかよく考え、その上で課題の特性に応じて具体的に行動し、地域経済の発展に結びつく活動を展開してまいりたいと考えております。


