総会コメント
第36回定時総会 ご挨拶
北海道経済連合会 会長
近 藤 龍 夫
「平成22年6月10日」
会員の皆様には、業務ご多忙の折、北海道経済連合会の「第36回定時総会」にご出席をいただき誠に有難うございます。また、平素より、当会の活動に対しまして、格別のご支援、ご協力を賜り、改めて御礼申し上げます。
また、高橋知事には、公務多忙の折にもかかわらず、本総会にご出席をいただき、御礼申し上げます。
さて、平成21年度を振り返ってみますと、国政では、戦後初めてといえる本格的な政権交代が現実的なものとなり、政治情勢は大きく変化をいたしました。しかし、政権が代わっても、当会の使命と申しますか、活動の原点であります「北海道経済の活性化のために必要な政策を提言・要望し、その実現を図り、北海道経済の自立と発展を目指していくこと」については、今後とも、いささかも変わるものではありません。
次に、道内の経済情勢は、現状、一部に持ち直しの動きが見られますが、個人消費の低迷や鉱工業生産指数が未だ低水準にあるなど、企業を取り巻く経営環境は予断を許さない状況にあります。先行きにつきましても、「経済危機対策」効果の剥落に加えまして、北海道開発予算の大幅削減による影響から、厳しい状況が続くと考えられます。当会としては、一刻も早く景気を回復軌道に乗せるための経済対策の実施や、中長期的に地域の活性化につながる産業振興や社会資本の整備を強力に推進すべきであるとの考えに立ち、迅速かつ適切な主張や要望を行ってまいりたいと考えております。
一方、地域社会に目を転じますと、北海道においては、今後、人口減少、少子高齢化が全国のペースを上回るスピードで進行するものと予想されております。このため、当会では、昨年度、これらについて独自に調査を実施し、この4月に結果を公表しました。これによりますと、2005~2030年にかけて北海道の人口は、約100万人(約20%)減少して460万人となり、特に道南圏、根釧圏にあっては約40%減少する一方、札幌の一極集中が進み現状の3割強から4割へと上昇します。そして、これらによる経済的影響としては、GRPで2.4兆円(12%)減少すると推計されております。従いまして、この先、対策を講じなければ地域社会の崩壊とともに、北海道の存在すら危うくなることが懸念されます。ましてや、国の財政力の低下とともに、地域主権型社会の形成、すなわち地域自身の力で自立的な地域社会を構築するよう求められつつあり、その構築は地域社会の健全な発展のための絶対条件になります。
このように先行きが非常に厳しい北海道ゆえ、当会では、この先、北海道は「どうやって明日の糧を得ていけばいいのか?」ということにつきまして、昨年来、度々、地方を回り、現場を見て、聞いて、そして仲間と議論を重ねてまいりました。得られた結論は、他の地域に比べて優位性があり、さらに大きく成長する可能性を残している北海道の「農業水産業」をベースにした「食の分野」に、少し大袈裟に言えば、北海道の生き残りを賭けて挑戦すべきであるというものでございます。
そこで、当会では、昨年9月以降、「食クラスター活動の強化」について、各界各層に広く提言してまいりました。その意図するところは、道内で食に関する産学官金の連携・協働を盛んにし、即ち食クラスター活動を盛んにして、道内の豊富な農水産資源から付加価値の高い食材、食品、バイオなどの商品をこの地北海道で生み出し、これを道外、海外に向けて流通・販売をしていくと同時に、観光産業との融合を図って、「北海道ならではの食の総合産業」を形成していこうというものでございます。
当会の試算によれば、現在、北海道の食料品売上高は約2兆円ですが、北海道の食産業の付加価値率を、現状の全国ブロック最低からトップ水準にまで引き上げた場合、道内産業の売上高で約1兆円上乗せできると見込まれますので、この可能性に挑戦しようという考えであります。
この提言には、高橋知事はじめ関係者の方々から賛同をいただくとともに、知事、柚原経済産業局長、飛田北農中央会会長からは、道内の産学官金の連携を強くしてオール北海道で取り組むべしとの意向が示され、この5月には、各界からの幅広い参画と協力を得て、その推進母体となる「食クラスター連携協議体」をスタートさせました。また、これに先立つ4月には道および経済産業局におかれましては、食クラスターの専任の体制を整備していただき、また、当会におきましても、7名の精鋭から成る専任グループを新設し、連携協議体推進本部の役割も担っていくことといたしました。
目指すところへの道のりは容易なものではありませんが、関係者の知識・知恵・過去の経験の蓄積を総動員し、そして何よりも熱意を持って取り組むこととし、目標に向かって着実に前進させていきたいと考えております。最終的には、北海道の産業構造が、これまでの公的支出依存型(配分型)のどちらかというと内向きな産業構造から脱却し、自ら価値を創造してこれを外に向かって打出していく内発型産業構造へと転換していくよう期待しております。こうした努力とその成果の積み重ねは、自立的な地域社会の形成の力になり、また、その結集が北海道経済の自立的発展をもたらすものと確信しております。
そして、こうした産業の振興を図っていくためにも,社会活動・産業活動の基本となります人やモノ、これを円滑に移動させるということが必要となります。北海道はそのための社会資本整備が不十分であり,全国水準にほど遠い状況にございます。昭和32年に策定された日本列島の背骨にあたる高速道路整備計画ですら、現在まだ実現していないという無残な状況にあります。また、ご承知のとおり、札幌は190万の人口を抱えた都市でございますが、未だに新幹線の具体的計画がないという状況でございます。広大かつ、冬場の厳しい気象条件のもとでの産業振興や地域社会の維持・発展のためには、何としてもこれらの社会資本の整備が急がれるところであり、私どもとしては、引き続き国に対して、早期整備を強く求めてまいります。北海道経済は、依然として厳しく、また先行き不透明な状況にありますが、当会としては、各々の課題について目指すべき姿を描き、その実現のために何をすべきか、何ができるのか、よく考え、その上で具体的に行動し、地域経済の発展に結びつく活動を展開してまいりたいと考えております。
本日は、平成21年度の活動報告、および平成22年度活動計画などをご審議いただく予定でございます。会員の皆様方には、ぜひとも忌憚のない活発なご意見・ご討議をお願いいたしまして、挨拶とさせていただきます。


