第51回定時総会 会長ご挨拶
2025年 6月12日
北海道経済連合会
会長 藤井 裕
第51回 定時総会の開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
まずは、大変ご多用の中、多くの会員の皆さまにご出席を賜り、誠にありがとうございます。
また、平素より当会の活動にご理解とご協力をいただいておりますことに、厚くお礼申し上げます。
本日は、後ほど2024年度の事業報告や、2025年度の事業計画などをお諮りいたしますが、私から関連する話題3点をお話させていただきます。
まず1点目、昨年度の振り返りですが、働き方改革関連法による「2024年問題」の表面化や、記録的な円安、さらには北海道新幹線の札幌延伸が2038年度末との見通しを示されるなど、厳しい現実に直面いたしました。
一方、昨年、北海道と札幌市がGX金融・資産運用特区に、北海道が国家戦略特区に指定されたこと、また、十勝地域での宇宙戦略基金事業が採択されたことなど、これらは今後につながるものであり、大いに期待されるところです。
2点目は、今年度の当会の主な取り組みについてです。
ラピダス社の次世代半導体工場のパイロットラインが今年4月に稼働しました。再来年の量産化、そして半導体関連産業の集積に向け、引続き、しっかりと取り組んでまいります。
また、冷涼な気候や豊富な再エネポテンシャルを有する北海道は、データセンターの適地であり、現在、道内各地で複数のデータセンターの建設・計画が進められています。当会では、半導体やデータセンターなどデジタル関連産業の進出効果を全道に波及させるべく、「北海道バレー構想」の実現に向け取り組んでいきます。さらに、農林水産業や観光業のスマート化の推進、大樹町で進む宇宙開発の6次産業化などの動きと連動を図ることで、従来からもつ強みを伸ばし、北海道全域の均衡ある発展につなげるよう取り組みます。
こうした取り組みを進めるうえで、北海道における人口減少・人材不足は看過できない重大な問題です。あらゆる業種において深刻な人材不足が見込まれますので、女性・シニア・外国人など多様な人材が安心して働くことのできる制度や環境整備について、関係当局と連携して進めてまいります。
また、道内の地域公共交通は、運転手不足に加えて燃料費高騰などの問題もあり、路線廃止や減便が進むなど厳しい状況にあります。道内各地域が「生産空間」としての機能を発揮し、北海道が観光立国の実現をけん引していくためには、交通機能の維持はもとより利便性向上が不可欠です。当会では現在、多様な交通モードをフィジカル・デジタル双方で適切につなぎ、地域住民や観光客が北海道全域を安心して移動できる仕組みづくりに力を入れており、実装に向けて着実に進めてまいります。
最後、3点目は政府への予算要望についてです。要望活動は例年、7月に実施しておりますが、当会の取り組みを、政府の「骨太の方針」に反映いただくことを狙いに、今年は2か月前倒しで試行的に実施したものです。
今回は、森山裕 自民党幹事長、伊東良孝 地方創生担当大臣、城内実 宇宙政策担当大臣をはじめ、副大臣、大臣政務官、各省庁の長官、局長など多くの枢要な立場にある方々にお会いすることができました。
皆さん一様に、北海道の豊富な再生可能エネルギー賦存量、冷涼な気候、魅力ある観光資源、食料基地としての更なる可能性、将来性に言及された上で、国としてもこれらをしっかりと活かしてくという強い意思を示していただき、手ごたえのある要望となりました。
今後も、北海道の実情、会員の皆さまの声を中央にしっかりと伝えてまいりますので、当会の事業活動につきまして、引き続きご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
以上