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2026年頭 会長ご挨拶

2026年1月5日

年頭にあたって

 北海道経済連合会
 会長 藤井 裕

 新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
 平素より当会の事業活動に格別のご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。

 昨年の国際社会は、米国の相互関税導入、米中間の経済摩擦、ロシア・ウクライナおよび中東における地政学的緊張の継続により、混迷の一年となりました。
 国内においては、米価の上昇・高止まり、熊による被害の深刻化が暮らしに不安をもたらしました。一方、大阪・関西万博は成功裡に幕を閉じ、日本の技術力と文化の魅力を広く発信し得たことを、経済界の一員として喜ばしく思います。
 政治面では7月の参院選後、自民党総裁選を経て高市政権が誕生しました。発足直後から「責任ある積極財政」「危機管理投資」を掲げ、物価高対策を含む大型補正予算を迅速に成立させるなど、停滞の打破と変革への強い意欲を示されており、大いに期待を寄せるところです。

 当会は昨年6月、定例総会と併せて50周年記念式典を開催し、半世紀の節目を無事に迎えることができました。会員の皆さまの長きにわたるご支援に深く感謝するとともに、次の50年に向け決意を新たにしているところです。
 道内経済産業界の動向と当会の具体的な活動を振り返りますと、昨年は次世代半導体や再生可能エネルギーの分野で大きな動きがありました。
 次世代半導体工場のラピダスでは試作ラインの稼働、試作ウエハーの公開といった重要なマイルストーンを達成し、量産体制の構築に向け着実に前進しました。当会は北海道新産業創造機構(ANIC)を通じて、道内企業の参入拡大、サプライチェーンの強靭化、人材の育成など、地域経済への波及効果を最大化すべく活動を進めました。これに加え、昨年5月には、「北海道バレービジョン協議会」が発足し、当会はその事務局としてバレー構想の実現に向け歩みを進めています。
 再生可能エネルギーの分野では、松前沖、江差沖が洋上風力発電の促進区域に指定されました。当会は「GX金融・資産運用特区」や「国家戦略特区」を活用した洋上風力発電事業者の誘致や発電事業者と道内企業とのビジネスマッチング、人材育成などにTeam Sapporo-Hokkaidoと連携し取り組んでいます。
 9月には泊原発3号機の早期再稼働を、道内経済7団体と連名で要望し、12月10日、鈴木知事が同意の判断を示しました。低廉かつ安定した電力の確保、脱炭素の着実な前進に資するものであり、安全最優先のもと一日も早い再稼働を期待するところです。

 その他、人口減少・人手不足という構造課題に対しては、女性リーダー育成や高齢者雇用、障がい者DX、外国人材との交流など、「量」の確保と「多様な人材の活躍」の両面から対応。観光では「北海道MaaS」を推進し、34の交通事業者等と連携した統一ウェブサイト「ぐるっと北海道」を開設、広域移動の利便性向上に取り組みました。
 また、「地方創生・地域課題解決・地域DXチーム」の活動により、道内101市町村から地域課題を把握出来たことは、今後地域の持続的発展を実現していくための大きな足がかりになるものと考えています。

 こうした活動と並行して、当会の指針である「2050北海道ビジョン」(2021年6月策定)の見直しにも着手しました。公表から4年が経過し、現在、ビジョンの中で設定したマイルストーンである2030年の折り返し点を迎えていますが、この間、国内外の環境は大きく変化しました。ロシアによるウクライナ侵攻、中国による水産物禁輸、米国の関税措置強化、生成AIの急伸などです。さらには、札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致断念や新幹線札幌延伸の延期など、ビジョンの実現に向けて大きな逆風が吹く一方、次世代半導体工場の進出、「GX金融・資産運用特区」の指定等、北海道の可能性を押し広げる動きが芽吹いています。こうした変化の下、経済・エネルギー・食料の3つの安全保障、観光立国、地方創生・地域未来戦略における北海道の役割は一層重要となっています。一方、人口減少・少子高齢化に伴う担い手不足など、当初提起した課題はなお深刻であります。
 そこで現在、ビジョンの進捗を検証しながら、残り4年で重点的に取り組むべき事項を精査しているところです。同時にビジョンとの整合性を図りながら2026年度事業計画の策定を進めています。
 特に国が進める地域未来戦略の観点からは、先ほど触れた北海道バレービジョン実現やGXの推進に加え、宇宙開発の6次産業化や北海道の元々の強みである食と観光を活かすことも含めた産業集積が重要と考えています。

 本年の干支は丙午(ひのえ・うま)。火勢旺(さかん)なる年と言われています。
 北海道にはポテンシャルがある。当会の設立当時から言われ続けていることです。今年は丙午の勢いに乗り、是非そのポテンシャルを余すところなく活かす元年としたいものです。当会は現場主義を徹底し、迅速と丁寧を両立させ、「成果で語る」一年として歩を進めてまいります。会員の皆様のご協力、ご参加をお待ちしております。

 結びに、会員の皆さまのご健勝とご繁栄を心より祈念申し上げ新年のご挨拶といたします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。